いちばんの星 -side episode-
初めミュリエルの話を聞いた時、正直ヴェルヌはミュリエルの話を疑った。
しかし、ミュリエルはヴェルヌが愛した人、そんな彼女がわざわざそんな嘘をつくはずがないと思い直したのだ。
では、スティークには本当に恋人が…?
そう考えた時、ヴェルヌは少しだけ苛立ちを感じた。
幼い頃からまるで兄弟のように、そして今でも親友として自分を支えるスティーク。
子どものようだと言われればそれまでだが、これまで浮いた話を聞くことが無かったスティークに、恋人ができたという事を告げられなかった事が腹立たしかった。
「この間、会ってたんだろ。中庭で」
「中庭?」
ぶっきらぼうにそう言い放つヴェルヌだが、スティークは全く心当たりがない様子だった。
「スティーク…別に隠す必要はないだろ…」