いちばんの星 -side episode-


「寒くない?」

「はい…」



あの後ふたりはラナの部屋から廊下へと移動した。



中庭へと続く廊下まで来ると、窓の前で立ち止まる。



今更何の話なのだろう…ラナは複雑な面持ちだった。



「何日か前の事なんだけど…」

「……」

「俺が中庭で会ってた人について…なんだ」



――ドクン…



待って…今そんな話聞きたくない。



「彼女は…」

「あのっ…」



突然、スティークの言葉を遮るようにラナが言葉を発した。



「知ってます、皆噂してましたから…
とてもお似合いだと」



そう言って、ラナはスティークに向かって微笑んだ。
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