いちばんの星 -side episode-
――――――
「お見合いっ?」
コクリと頷くラナの前で、ミュリエルは大きな声をあげる。
「どうしてそんなに突然…それに…」
そこまで言うと、ミュリエルはラナの方をじっと見つめる。
ミュリエルの部屋で、並ぶようにソファーに座るふたり。
そんなふたりの前には、ゆらゆらといい香りを放つカップが置かれている。
「スティーク様は、もういいのよ」
ミュリエルの言いたい事を察したのか、ラナは笑顔でそう告げた。
「返事は聞いていないけど、あれから何も言ってくださらないっていう事は、そういう気持ちはないっていう事なのよ」
「でも…」
ミュリエルが言いかけたその時。
――コンコン…