いちばんの星 -side episode-


――――――


「お見合いっ?」



コクリと頷くラナの前で、ミュリエルは大きな声をあげる。



「どうしてそんなに突然…それに…」



そこまで言うと、ミュリエルはラナの方をじっと見つめる。



ミュリエルの部屋で、並ぶようにソファーに座るふたり。



そんなふたりの前には、ゆらゆらといい香りを放つカップが置かれている。



「スティーク様は、もういいのよ」



ミュリエルの言いたい事を察したのか、ラナは笑顔でそう告げた。



「返事は聞いていないけど、あれから何も言ってくださらないっていう事は、そういう気持ちはないっていう事なのよ」

「でも…」



ミュリエルが言いかけたその時。



――コンコン…
< 49 / 107 >

この作品をシェア

pagetop