ジオラマのキャンパス

春〜夏【2】

【2】

学食は、揚げ物の香が広がってる。食欲そそる匂いだ。二人は400円のAランチを頼んだ。

「午後の授業は実習だったよな」
いつも話題はリョウスケからが多い 

「たしか、西館だったな」「ああ」
西館は初めて行く所だった。1年生の講義は、東館で行う事が、ほとんどだ。

「大学生活も1ヶ月たったな」
甘ったるさが絶妙な、煮魚を食べながら、リョウスケが聞いてきた。

「もう五月の半ばだよな。早いよな」
「たしかに!でもなんか今一つものたりないんだよな」
「なにが?」
「たとえば…恋したり。サークルとか…」
「とか?」
「…まぁなんだぁ…まだ大学生らしい事してないんじゃん」

たしかにそうだった。シュンヤも、地方から出てきて1ヶ月以上立つのに何一つ、高校生の時と変わった事がない。しいて言うならば、住まいだけである。
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