もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



「もし、あたしの目が両方とも見えなかったらどうした?」

「両方?」

「そう、両方」


もしだよ?ちゃんと今は左目見えてるから。


そう言うと慧斗は、そうだな、と少し考える。


「………仮に見えなくても、雪那は雪那だろ?」

「………」

「俺を見てくれないのは嫌だけど」

「………うん」

「多分、俺は雪那の側にいる」

「うん……うん」


涙が出そうになった。
慧斗には気付かれないように慧斗の胸に顔を埋めた。


やっぱり、慧斗は優しい人だね。


優しく頭を撫でてくれる慧斗にあたしは泣くのを堪えるのに必死だった。


< 184 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop