もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



「目標が、ないの」


目標………


「なんか中学生を相手にしているみたいだわ」


やれやれと由紀子さんが肩を竦める。
あたしは、箸を置くと、椅子を引いて立ち上がった。
三対の目があたしに集中する。


「あら、もう行くの?」

「あ、はい」

「じゃあ雪那ちゃん、後でね」


ひらひらと手を振ってくる由紀子さんに軽く頭を下げてからあたしはリビングを出た。


そして真っ直ぐ、あたしと慧斗の部屋に向かう。
部屋に入ると、音一つなくて、ソファーに慧斗の姿が見えた。


「――――慧斗」


そっと近寄りながら名前を呼ぶ。


「もう、飯食ったのか?」


顔を上げた慧斗は何時もの優しい表情だった。


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