愛しのマイ☆ドクター
『悪いね いつも呼び出して』



院長先生の表情に

特に変化は見られなかったけど

声のトーンに

少しだけ神妙さがあった



『例の咲原美羽さんのことだけどね』



(やっぱり・・・そうか・・・)



『畠島君はどう思いますか?』



僕は

こないだふと浮かんだいやな考えを

はっきり言ってみることにした



『確証はありませんが

マデルンハイト症候群の疑いがあると思います』



院長先生は黙って僕の顔をゆっくり見た



『畠島君・・・ 非常に残念だが

私も君と同じ診断をしたよ』




『・・・・・』



『マデルンハイト症候群・・・

全く原因不明の難病・・・

今の医学では対処の方法さえ

見つかっていない・・・』




『最初は免疫のゆっくりした低下から始まって

次に腎機能の著しい低下

最後には肝機能にも障害が起こって・・・』




僕は院長先生の言葉に続けた

しかし最後の

そして一番重要な

ことを言うのをためらっていた



院長先生は

小さくため息をついてから

決定的なことを言った



『そう・・・

そして致死率は100%

しかも今までの少ない症例とはいえ

患者は3ヶ月以内に死亡している』



僕は医科大学生のときに

文献で読んだことしかない

その難病の解説を思い出していた
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