愛しのマイ☆ドクター

療法

僕は気を取り直して

すぐに院長先生に

院内携帯から電話をした



『もしかしましたか?』



院長先生は

着信が僕からなのを見て

一瞬ですべてを察したようだ



『はい・・・』



『今、院長室へ来れますか?』



『すぐにうかがいます』



僕はデータをプリントアウトして

その足で院長室へ向かった



コンコン



『失礼します』



入室すると院長先生は

僕を見てこう言った



『あたって欲しくなかった予感が

あたってしまいましたね』



『はい・・・』



『わたしはもう30年以上

医者をやっていますが

残念なことに

いい予感よりもいやな予感が

あたってしまうことのほうがはるかに多い

それが医療の現実です・・・』



院長先生の言葉は

僕の心にずっしりと

のしかかった

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