愛しのマイ☆ドクター
二人の間に沈黙がやってきた



医療の現場の最前線で

仕事をしてきた院長先生の言葉は

新米である僕には

受け止めきれないほど重かった



『さて・・・

それでも現実的に

これからどうするか

考えなければなりませんね』



『はい・・・』



『血液検査はこれから毎日やりましょう』



『それと腎機能回復に効果のある

薬剤の投与を始めましょう』



『それで様子を見て・・・

あとは・・・告知の問題です・・・』



院長先生の指示は

短いけど的確だった



『まずは彼女の事務所の

社長さんにわたしから話をしてみます』



『はい・・・』



『たしか親御さんは福島県でしたか?

入院されておられるのですよね?』



『そうです

お母さんが病弱だと聞いております』



僕は美羽から聞いた話を

思い出していた



『そうですか・・・』



院長先生は何かを考え込んでいた
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