愛しのマイ☆ドクター
『うーん 畠島先生

それはさすがにちょっと

無理ですね』



院長先生は難しい顔をして

そう言った



『しかし・・・』



僕の反論を待たずに

院長先生が言った



『もし外で彼女の容態が急変したら

どうするんですか?

あるいは・・・考えたくないですが

最悪の事態になったら

責任問題ですよ

大げさではなく病院の過失ということで

訴訟問題か刑事問題にだって

発展しかねません』



『・・・・・』



『それにそういうことにならなくても

レコーディングなんていう

大変な作業は

今の彼女の健康状態では

寿命を縮めるようなことに

なる可能性も高いですよ』



『彼女の気持ちは

わからないでもないですが

この病院を預かる立場として

わたしはその許可は出せません』



『そう・・・ですか・・・


わかりました 失礼します』



院長室を出たけど

美羽に会わせる顔がなかった



このことを言ったら

彼女がどれだけ落ち込むか

その表情を想像するだけで

つらくなった



なんとかならないかな・・・
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