Milky Milk ~間違いないのは1つ~


高校一年生、秋。


日が沈むのが早くなり、紅葉が風に揺られ道を作る。紅葉の道は色鮮やかで、歩くとカサカサと音がする。


高校生ともなれば、隣を歩く人は友達か、恋人。

だが、例外がここにいた。紅葉を踏む音が、徐々に大きくなる。



「へいっリュウタロウ!こっち投げてみろおっ」

黒いランドセルを背負ったつり目の少年、雪斗が冷やかすと


「僕だって投げれるもん」

と、こちらは背中に大きな赤いランドセルを背負った少年、龍太郎が拾った紅葉を宙に投げた。ランドセルは、おさがりだ。

しかし、紅葉はゆさゆさと落ち、その着地点は…。

あの高校一年生、恋人もいなければ友達も少ない女、海の頭にまっさかさに落ちた。

隣を歩くのは誰か、というと、兄弟だ。
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