Milky Milk ~間違いないのは1つ~
「ちょっ!何やってんだよ、リュウタロウ!ウミねーちゃんの肩が震えてんぞ。逃げろっ」
「ユキト…?リュウタロウ…?」
逃げようとする雪斗と龍太郎の首根っこを掴んだ。
「登校中に何やってるの!この道は細いんだから、危ないのよ」
「紅葉が楽しいんだ、な、リュウタロウ」
「えー…うん…」
海が怒るとなればこれだ。龍太郎は、海に怒られたくないから。母にいい子でいようとする気持ちと変わらない。
しかし、そう思ってしまうのは当たり前だ。海たちは、三年前母を不慮の事故で亡くした。龍太郎が四歳の話だ。海を母に見立てるのは仕方がない。
「父さんがそろそろ帰ってくるからって、暴れないの」
海たちの父は海外を拠点に仕事していた。