金髪の君*完結

卒業




健吾と別れた私は、2ヶ月ぶりに家へと帰った。

この2ヶ月、いろいろありすぎて疲れていた私は、部屋に着くなりベッドへと倒れ込んだ。

寝慣れたベッドの心地よさに、意識が飛んだ。



起きたのは次の日の12時過ぎ。


寝過ぎた私は、今まで電源を切っていた携帯に電源を入れた。

昨夜、充電してから寝たため電池は満タン。


明るくなった画面に、"WEL COME"と文字が表示された携帯に懐かしさを感じた。



見慣れた画面には不在着信と受信メールが表示されている。


「うわぁお…」


不在履歴を見た私は、あまりの件数に驚いた。



不在履歴の名前は未来が殆ど占めていて、美穂やアッキー、心に一樹などもあった。

心配かけさせたことに、罪悪感にいっぱいになる。


一通り確認した私は、メールボックスを開いた。


「……」


あまりのメールの量に言葉を失った私は


「--ひっ…」


突然鳴り響いた着うたに驚き、携帯を床に落としてしまった。


慌てて拾った携帯の画面には"市原未来"の文字。


「も…-「葵ちゃん!!」」


通話ボタンを押し、「もしもし」と言う私を遮った未来の声。


「み…-「葵ちゃんだよね!」」


「う…-「うわぁぁぁぁーん!」」


私の声を遮り、泣き出した未来に私はただ「ごめんなさい」と謝ることしかできなかった。





< 822 / 858 >

この作品をシェア

pagetop