僕等が保つべき体温の最大
誰だって一人でなんて生きて行けやしない。

誰かを守るなんて言ったって、せいぜい半径数センチの話しだ。

きっとそうやって足りない分は補って、余った分はわけあって。そんな風に繋がっていられれば幸せだったりするのかも知れない。

「ありがとう」

今度は、圭一が呟いた。

「え?何で?」

「ありがとう」

たくさんの事を。今は菜緒に伝えたい。

そこにいてくれた事。声をかけてくれた事。自分の為に笑い泣いてくれた事。

そんな事を考えながら、圭一は思う。


”きっとこういう事なんじゃないか?”


短い言葉を紡いで。優しく触れ合い。些細な事で泣いたり笑ったり。

そうやって僕等は…。


”こうやって体温を保ち続けているんじゃないか?”

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