裏切り恋愛
――……。
……。
『圭斗……?』
『……お前のせいだ』
あの日の出来事が――実由の夢の中で蘇った。
あの日――。
今から五年前……。
実由達がまだ小学三年生だった頃。
『お母さんっ!まだなのっ?』
『元気なんだから、もう……。まーだよ』
『遅くない?ねぇ……』
『待ってなさい』
『はぁーい……』
いつもより気合が入る実由。
なぜかというと、今日は圭斗が家に来る。
『本当に仲がいいわね、あんた達三人は』
『えへへ~』
――三人。
その言葉は当たり前だった。
圭斗、実由。そして……海斗。
遅いなあ……もしかしてなんかあったのかなぁ?
実由はそう思い、
『ちょっと見てくる!』
と言って家を抜け出した。