裏切り恋愛
『海斗は死ぬ』
圭斗は一息置いて、実由に冷たい視線を送った。
圭斗が、チガウ――……。
圭斗が変わったのはその瞬間からだった。
いつもにこやかで、優しい圭斗とは打って変わって、それからの圭斗は冷たく、どこか寂しげな青みがかった瞳はいつも実由を写さないようにしていた。
海斗は、搬送先の病院で無残にも命を落としたという。
中学校に上がり、家が近い二人は当たり前のように同じ中学校に通った。
その頃から圭斗は、女の子に人気が出始め、中二で女の子をもてあそぶようになった。
そんな圭斗を影で見つめることしか出来なかった実由。
それでも、学校の帰りは必ず一緒に帰った。
圭斗は何も話さず、自分の家が近くなると、
『じゃ』
とだけ言って、実由から離れていく。
『うん……』
バイバイも、また明日も、ない。
毎日同じ言葉を発するだけの関係になってしまった。
そんな圭斗と実由は、家に一番近い高校に入学した。
頭のいい圭斗はてっきりどこかの名門校に入る、と思っていた実由は圭斗と同じ高校だと知った瞬間、またいつものように帰ることが出来るのかな、と思い、少しだけ気分が晴れた。
一日の会話はじゃ、とうん、しかない。
なのに、それでも実由は圭斗に惹かれていた。
海斗のことも、いつかは少しずつ記憶から消えていく。
それが怖くて、圭斗と一緒にいるためには、必ず忘れてはならないと心に決めたのもこの頃だった。
圭斗は一息置いて、実由に冷たい視線を送った。
圭斗が、チガウ――……。
圭斗が変わったのはその瞬間からだった。
いつもにこやかで、優しい圭斗とは打って変わって、それからの圭斗は冷たく、どこか寂しげな青みがかった瞳はいつも実由を写さないようにしていた。
海斗は、搬送先の病院で無残にも命を落としたという。
中学校に上がり、家が近い二人は当たり前のように同じ中学校に通った。
その頃から圭斗は、女の子に人気が出始め、中二で女の子をもてあそぶようになった。
そんな圭斗を影で見つめることしか出来なかった実由。
それでも、学校の帰りは必ず一緒に帰った。
圭斗は何も話さず、自分の家が近くなると、
『じゃ』
とだけ言って、実由から離れていく。
『うん……』
バイバイも、また明日も、ない。
毎日同じ言葉を発するだけの関係になってしまった。
そんな圭斗と実由は、家に一番近い高校に入学した。
頭のいい圭斗はてっきりどこかの名門校に入る、と思っていた実由は圭斗と同じ高校だと知った瞬間、またいつものように帰ることが出来るのかな、と思い、少しだけ気分が晴れた。
一日の会話はじゃ、とうん、しかない。
なのに、それでも実由は圭斗に惹かれていた。
海斗のことも、いつかは少しずつ記憶から消えていく。
それが怖くて、圭斗と一緒にいるためには、必ず忘れてはならないと心に決めたのもこの頃だった。