裏切り恋愛
――ハッ……!!
「あっ……」
ふと気が付いた実由。
頬が濡れている気がして、実由は手で頬を拭った。
「泣いてたぞ」
圭斗の優しい声がする。
入学当初はぜんぜん話さなかったのに、最近は圭斗とよく話す。
一体どうなっているんだろう。
実由は小さい進展に心を温めていた。
「……夢、見たの」
実由は慎重に、そう答えた。
「夢?」
「うん……」
「どんな?」
実由はおずおずと圭斗を見た。
圭斗はいつもより瞳が明るく、優しい顔つきをしている。
「あの日の……夢」
言っても大丈夫だと思った。
圭斗は一瞬で凍りつく。
「あ……」
実由はその変化を見逃さなかった。
言っちゃいけなかった、と一瞬で悟る。
「お前……」