裏切り恋愛
その日見た夢は海斗も圭斗も、実由も笑っていた。


――「実由ーっ遅刻よ?」

朝八時。
母の声が一階から聞こえる。

「んー……っ!?嘘っ?えっ!?八時??」

ベッドから飛び起きて、目覚ましを確認し、階段を大急ぎで駆け下りる。

「はい、パン焼いといたわよー」
「ありがとっやっばーいっ!!」
「もー、寝すぎ!」

母が茶目っ気たっぷりに笑っている。
でも、そんな笑顔に返事をする余裕もない。

実由は目にも留まらぬ速さで制服に着替え、靴を履いて家を出た。

「いってらっしゃーい♪」

母はまだニコニコしている。

もーっ!能天気なんだから!ちょっとは心配してよ!

実由はムッとしながら走った。

昨日の今日なのに、自分が意外にも元気だった。
体は汚れているし、気持ち悪い。
本当なら外に出るのが怖くて怖くて、引きこもるのが当たり前だと思う。
でも、圭斗のことを考えていると、自分がレイプされたことは頭の隅に追いやられる。

圭斗と気まずいなぁ……。

そんなことを思いながら、実由は舞と落ち合い、学校に向かった。
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