群青ノ春
奈緒は解答用紙の上で外を見ながら顔を覆いもせず爆睡していた。

完全に陽登に寝顔を見られた形になった。



―うそ…うそ、嘘ーっっ!?―





頭は真っ白、顔は真っ赤にして大慌てで、陽登に解答用紙を渡した。

「すす、すいません!寝てました!

あっ!よだれっ!


あ、大丈夫。
付いてないみたいですっ!」






陽登はニヤッと笑うと

「汚ぇ、ヨダレ出てるよ。」と言ってまた解答用紙を集め始めた。




「嘘っ!?」






奈緒の淡い恋心はヨダレと共に拭い去られて行ったのだった。
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