【短】甘々彼女とポーカーフェイス

「本当…に…？」

「当たり前」

「……っ。…好き、大好き……」

「ん。」



俺の返事を聞くと、すぐに花穂里は俺に抱きついてきた。

そして、顔を埋め（うずめ）ながら、また泣きそうな声で一言、こう聞くんだ。



「どうして、ポーカーフェイスになれないの…？」



強がってるように見せかけて、本当は体が震えてるくせに。

どうせお前は、俺が本当のことを言えば、ばっと顔を上げてにこーって笑うんだろ？



「花穂里が好きだから、嬉しいこととか、イライラすることとか。全部正直になって、顔に出るんだよ」



俺が少し顔を赤くしながら言うと、やっぱりコイツは予想通りの動きをして、



「本当に!?…好きだから、出来ないの??」



ニコニコ笑いながら、そう聞いてくるんだ。

その１つ１つの動作を見てると、なんだか面白くなって。



「…そうだよ」

「…………♪」



顔がゆるんで、俺は答えてしまう。
…つい、本当のことを。