見えないお姫さま

約束




私は本当に次の日、中庭に行った。



前日授業をサボったせいで今日は日が暮れる迄、勉強させられた。

こんなに暗くなってから中庭に来てもヴァンはもう居ないかしら。


そう思ってあまり期待せずに中庭を歩いていると、端にあるベンチに座っているヴァンが居た。



もしかして私を待っていてくれた?

まさかね……。


でも、彼の座っているベンチの左側が1人分空いている。

私はそこに座った。


「……ヴァン」

「うわっ。って、ごめんなさい」

「いいの。当たり前だもの」

いきなり声がすれば誰だって驚く。

当然の反応。


でも、やっぱり少し傷付く。

毎回会う度驚かれていたら、分かってはいても傷付く。


何か驚かせない登場の方法は無いものか。





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