同級生

新田はさっさと服を脱ぎ、逃げるように湯気の立ち込める浴室の中に消えて行った。



………あの野郎…



苛立ちながら服を脱ぎ、湯気の立ち込める浴室の中に入った。

パラパラと雨の降る中、竹で作られた屋根の下にあるデカい湯船に入ると、新田は水音すら立てずにスーッと離れて行った。

黙ったまま新田に近付き、新田の後頭部を抑え付け、顔面を湯船の中に押し込んだ。

「なんか言う事あんだろ？なんとか言ってみろよ！」

激しい水飛沫をあげながら、もがき苦しむ新田。

「洋ちゃん！マジうるさい！静かにしろよ！」

「ああ！？」

人志の声を殺した怒鳴り声に苛立ちながら顔を向けると、人志と青田だけでは無く、一哉と若林までもが、何かを探すように竹で出来た壁を万遍なく見ていた。

「…何してんだ？お前ら」

「シッ！声出したらバレる！」

「バレる？誰に？」

「和華と藍子。見えそうなんだけど…、葉っぱが邪魔で…。あれ違うかな？」

壁の向こうを指差す人志と、人志の居る場所に群がるみんな。



………見たい。すげぇ見たい。でも、みんなには見せたくない。



人志の居る場所に急いで歩み寄り、みんなを壁から引き離した。