年上。
俺がいつもの通り、ぼんやりと外を眺めているとテスト終了を告げる担任の声が響いた。

「はい、終了です。一番後ろの人、回収して」

終わったか。気づけば、授業時間もあとわずか。

今日はこれで終了か。

いつもどおり、退屈だったな。早く帰りたい。

「はい、それじゃあ今日はここまで。委員長、号令!」

はい、終了。

次の時間は……現国。

これまた面倒なものが来ましたね。

いちいち、固定的な概念を教わりたくない。思考を先読みできなくなる。

感情とともに、自由な発想を奪う可能性がある。

やはり小説は、個人の感想を求めるものがいいはずだ。

誰かが読んだら、必ず感想は変わる。

それをいちいち、勝手に一方通行のように、話をつけていては俺の頭の中が固まってしまう。

寝ておこう。

早々と結論付けて、授業準備をした俺はさっき出来なかった本を開く。

興が覚めたが、犯人は気になる。

が、やはりそれを阻害する人物は必ずと言っていいほど現れる。

「おい、誠司! さっきの問題おまえできたのか!」

ほらな? こう言うときに限ってこいつは現れる。

何が目的なのかは知らないが迷惑なことだ。
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