年上。
下らない、そんな認識しか出来ない奴が、小説を語るなんて何十年も早い。

人生の密度が、薄すぎんだよ。俺の知り合いのオタク馬鹿の十分の一にすら、満たないのではないのだろうか?

自惚れた馬鹿を一刀両断してやるのは、実に面白いのだな。

「はい、それまで。そんな言い争いは、今は必要ないでしょう」

先に言え、まったく不必要な会話をしてしまったと、今激しく後悔しているところだ。

「個人の主観で、今は意見をしてもらったけどこれからは、こういった意見も十分に言ってくれて構わないからね。じゃあ、今日はこれで解散。お疲れ様」

この教師、俺を出汁に使いやがったな?

これからはかなりの数の個人的主観のもとに意見が多数寄せられる事だろう。

俺としては、いい気分では無いのだが。

まったく、下らない議論で時間を潰してしまった。

さて、バイトに行こうか。

「ああ、そうだ。誠司君は少し、残って頂戴ね」

……何の冗談だよ。

これからバイトに行こうかって時に、呼び止められるなんて。

他の生徒は、呼び止められた俺を好奇の目で見ながら、次々と図書室を去っていく。

畜生、俺だって早く帰りたいんだ。

「何の用ですか?」

「そんなに嫌そうな顔をしないで。一つ聞きたい事があっただけだから」

聞きたい事? なんだよ、それ。俺は別に聞かれるような事は一切ないはずだが。

「君は一体何で、そこまでケータイ小説を毛嫌いしているのかな?」
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