年上。

そう、俺は今までそれなりの読書をしてきたつもりだ。

少なくともケータイ小説で、面白いと感じるものはケータイの中でしかなかった。

書籍化されているものを見ても、面白いとは感じない。何度も思う、こんなもので金を取るというのは一体どういう事なのだろうか？

「……っだけど！　お前が上げたのはあくまでも有名な小説家ばかりよ。有名でも無い小説家に……」

まだ反論するか。面白い。

「だったらお前に問いたずねよう。一般大衆がケータイ小説化の名前を知っているか？」

「……っ！」

言葉に詰まるだろう？　くく、馬鹿な奴だよ。あんたは。

「知っている人物なんて高々知れている。ハセガワケイスケ、時雨沢恵一など、こちらも有名だが知っている人物は限られる。だが、ほぼ同じ条件でも文章力はこちらの方が上だ。一話の纏まりでさえ。お前は所詮、偏見だけでしか物事を判断してはいないよ」

「それでも、映画化された小説の作者くらい……！」

「そいつの二作目を知っている奴が何人いて、何人が面白いと感じている？　一切下らない一人称に、どれほどの人物が面白みを感じる？　俺は面白いと感じないね。俺の友人も……まぁオタクではあるが、面白くないと言っているぞ」

「人の好みを馬鹿に……！」

「最初に馬鹿にしたのは、どちらかな？　絵が付いているだけで毛嫌いしているのは、どちらかな？　それに俺はあくまでも書籍化されている分を限定している。それに面白いケータイ小説はきちんと、そう言ったサイトの中にあるとも言っている」

これ以上反論できるか？

「あんたはオタクの意見を参考にしているわね。一般人の意見を参考にしたらどうかしら？」

「やれやれ、俺の知り合いはすべてオタクか。認識が甘いな。俺の知り合いの何人かに聞いてみたが、すべて面白いかと問われたら、答えはノーだったよ」

これ以上、言う事がなくなったのだろう。それ以降、何も言う事はなく、唇をかみしめて下をむているだけだった。