lotlotlot3-血脈の果て-
真王
るるんぱは焦っていた。
「なんなんだ、こいつの体?まるでわからない。いつもなら見えてくる目的地までの道筋が、いっこうに見えてこない。」
右手をついた壁は柔らかかった。右手が沈み込む。同時にるるんぱに唾を吐きかけるかのように、茶色い液体が飛び出した。
それが気管に入り、大きくむせた。
「げへっ、げげへっ。」
液体はかなり粘着質なものだった。口に入ったものを濯ぎたいが、それが出来る水もない。口が粘つくのを耐え歩き続けるしかなかった。
「くそっ。」
はじめてだらけの経験に、悪態をついた。それから、しばしの間考えた。
<どうすれば・・・。>
しかし、何も浮かばない。経験から答えを導き出そうにも、こんな経験をした事がないのだから、答えが出てこなくても当然だ。無限とも思える道のりを、ただ進むしかなかった。

右に、右に、それから左に。時には上下が逆になった時もあった。壁は相変わらず柔らかい。そして、時折、茶色い液体が飛び出してくる。るるんぱは、それを避けようともしなかった。もう、どうでも良くなっていたのだ。結果、全身、茶色い液体にまみれていた。
「ど、どこだ。出口は・・・どこなんだあああああああ。」
叫んだ。
「いい様だね。」
声が聞こえる。ここには自分しかいない。そう思いこんでいたるるんぱは、柄にもなく怯えた。
「だ、誰だ?」
左右を見回す。しかし、どこにも人影は見えない。
「で、出てこいよ・・・。」
声が震える。
はじめて尽くしが、るるんぱを追い込んでいた。
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