lotlotlot3-血脈の果て-
色の王
暗い闇に不釣り合いな淡い光を湛えている玉が、下から上へと昇っていく。実に不思議な光景だ。
「おもしろいだろ?」
父親が言った。と言っても、本当の父親ではない。そこにいるのは父親の姿をした別人だ。彼の父親は、るるんぱと言う魔法使いに乗っ取られてしまった。そのるるんぱが言うには、彼の父親の精神は体の奥に押し込まれ、自由を奪われているというのだ。そして、その代わりにるるんぱの精神が、彼の父親の事を操っているのだ。
「・・・。」
「どうした、リーグ?黙っていないで、何とか言えよ。」
るるんぱは、わざと父親らしい台詞を言ってみた。それがリーグには不快だった。
「はぁ?何、親父みたいな事、言ってるんだよ。」
「親父みたいな事って・・・。ここにいるのは、お前の親父じゃないか。ま、外見だけだけどね。」
るるんぱは、バカにしたように笑った。
「そうやって笑っていられるのも今のうちだ。」
「今のうち?どうして、そんな事が言えるのさ?」
リーグには友達がいた。その友達の名前は、イバーエと言う。魔法に似ているけど、魔法とは違うすごい力。言術って言うのを使う事が出来る。イバーエが、自分を助けに来ないなんてあり得ない。絶対に助けに来る。そうすれば、きっと、たぶん、ここにいる、るるんぱを倒してくれる、父親と自分を助けてくれる、そう信じていた。

しかし、それを口に出しはしなかった。理由は簡単だ。
イバーエはドジなのだ。弱虫なのだ。助けに来てくれても、気持ちが空回りしてとんでもない事をしでかす時もある。だから、胸を張って言い切れなかった。
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