lotlotlot3-血脈の果て-
ゼロの先の無限
目的を果たし、イバーエはその場に倒れた。
リーグも血を流し、生きているのが不思議なくらいだ。血がそうさせたのだろうか、アオスの癒しの雨が部屋に降り始めた。雨はいつまでも降り続く。すると、いくら立派な屋敷とはいえ、下の階に雨漏りが起きる。エーマリリス達がやってくるまで、そう時間はかからなかった。

「な、なんだ。これは?」
扉を開けたら大雨だ。エーマリリスも驚かずにはいられない。
「お父様・・・。」
アイワイは気がついた。あまりに激しい雨にその色は褪せてしまっていたが、リーグの着ている衣服が赤く染まっている。その隣には誰かが倒れているのも見えた。何かあった。不安がアイワイを急かした。
リーグの元に駆け寄ると、隣にいたのはイバーエだった。
「どうしてここに?」
風がアイワイの頬を撫でる。見るとガラスが割れていた。
「あそこから・・・入ってきたの?」
しかし、落ち着いてそれを考えている暇はなかった。リーグも、そしてイバーエもかなり危険な状況に見える。
「リーグ君は血がほとんどないじゃないか・・・。イバーエ君は・・・アイワイ、彼は眠っているだけだ。何があったか知れないが、よほど体に負担を強いたようだね。」
「じゃ、倒れているのは気にしなくていいの?」
「あぁ、こんな雨の中でも起きないと言うのはどうかと思うがね・・・。それより、リーグ君だ。早く輸血しないと危険だ。」
医者を呼んでいる暇はない。本当に昔だが、エーマリリスは医者を目指し勉強をした事があった。だから、輸血くらいなら何とか出来そうに思えた。
「ダメだ、ダメだ。」
「どうしたの?」
「リーグ君の血だが・・・私やアイワイ、お前の血では輸血出来ない。型が特殊なんだよ。」
「そ、そんな・・・。」
落胆は隠せない。
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