ちぇんじ☆
 ついに私を元の体に戻してくれる方法の名前が出た。
 私の記憶の中から『閨』という言葉を引っ張り出す。

――『ねや』……確か寝室とかの古い言い方だったっけ……?

 自分の記憶にイマイチ自信が持てない私。
 お祖父ちゃんの言葉を口に出して繰り返すことでお祖父ちゃんからの話の続きを待つことにした。

「ねやのぎしき……?」
「そう、『閨の儀式』じゃ、やりかたは簡単なんじゃけど……言わないとまた怒るよなあ?」

――いや、怒るに決まってるし。

 お祖父ちゃんを再び睨みつける。
 それでも、お祖父ちゃんはもじもじするばかりで儀式の説明を始めてくれない。
 何がお祖父ちゃんをそんなに説明したがらない状況にしているのだろうか?
 私の記憶が確かなら『閨』=『寝室』だ。

――寝室……寝室でする儀式…………!!!!!

「――ああ!!!」

 思わず声を出してしまった。
 なんとなく分かったような気がする。
 心なしか頬が熱い、きっと顔が真っ赤になってるんじゃないだろうか。

「――な? 説明するの恥ずかしいじゃろ?」

 私の様子で、閨の儀式の内容を私が理解したと判断したのだろう。
 お祖父ちゃんが同意を求めてくる。
 うん、私の予想がちゃんと当たっているかどうかは分からない。
 でも……多分、そういうことだよね?

 お祖父ちゃんの言葉に小さくコクンと頷く。

――そりゃあ、カズちゃんの前では説明しにくいわけだ。
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