ちぇんじ☆
『閨の儀式』って、それは……つまり……私とカズちゃんで『エッチする』ってことよね?

 ちょっと子供のカズちゃんの前では話しにくい。
 って、私もまだ大人って年齢じゃないけど……年相応に知識くらいは持っている。

 お祖父ちゃんの横にササっと素早く近付き、耳打ちで会話を始める。

「あのさ……『閨の儀式』って……つまり」
「そうなんじゃよ――」
「私とカズちゃんで!?」
「そうカズとかすみちゃんで――」
「するの!?」
「するんじゃよ」

 カズちゃんには聞こえないように極めて小さな声でやりとりする。

――まあ、聞かれたところで何をするか分からないかもしれないが。

 でも、カズちゃんには分からないとしてもだ、私にだって『乙女の羞恥心』ってものがある。
 こういう話を男の子の前で平気でできるほどにはスレていない。
 ヒソヒソ声なまま、私とお祖父ちゃんの話は続く。

「するって……アレでしょ?」
「そう、アレじゃよ。耳年増じゃな~」
「だ! 誰が耳年増よ!」
「ありゃ? 経験済みかの?」
「ま……まだだけど」
「ほら、やっぱり耳年増じゃないか」
「そんな問題じゃなくて! やっぱり『エッチ』するの?」
「しないと元に戻れんよ?」

――う……。元には戻りたいが、この方法『良い方法』とは呼べないんじゃない? 問題山積みじゃない?
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