ちぇんじ☆
「あ、真理ちゃん。紹介しとくね、『歳平 一哉』さん」

 ポカンと呆気にとられる私に、サラっと男の人を紹介するお母さん。
 はぁ、名前が一哉さんだから『カズちゃん』ね。
 安直なニックネームだ。

……って、そんなことじゃなくて!

 先に紹介するべきなのは名前なの!?
 名前よりも先に、疑問がイッパイになってるんですが……。

 なんでこの人、私が『入れ替わってる』というのがあっさり分かっちゃってるのよ!?
 チラっとこっちを見ただけじゃない?
 たったそれだけの行為で、どうして私が隼人くんの中に入ってしまっているのが分かるワケ?
 これが噂に聞く『霊能力者』って人種ですか?

 あまりの動揺に何回も交互にお母さんとカズちゃんを見てしまう。
 何かを話さないと、そう思うが口をパクパクとさせるのが精一杯で声にならない。
 挙動不審だって分かってるけど、こんなに驚くようなことをいきなりされて挙動不審にならないほうがオカシイと思う。

 もはや、まともな言葉が出てこない。

「え? なんで? ええ!?」

 現状を何とか理解してみようとするものの、常識では考えられないような状態である。どうしたところでマトモな言葉さえ出てこない。
 ギリギリで口をついて出た素朴な疑問にお母さんが事も無げに答えた。

「ああ、驚いた? カズちゃん霊能力者なのよ」

……ああ、やっぱり霊能力者ですか。
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