ちぇんじ☆
 小屋の中に入ると、建物の外見に比べると広い部屋となっていた。

 入り口は土間と続きの居間になっていて、土間にはろくろや釜がある。
 釜の横には薪を縄で縛ったものが積み重ねられていて、その横には炭を同様に縛ってあるものが積み重ねられている。
 ろくろの傍に二つの大きな瓶があり、蓋はされているが、きっと中身は土とか土をこねるための水が入っているんじゃないだろうか。
 木で造られた棚の上には自作の物だろうと思われる壷やら、様々な種類のお皿なんかが飾ってある。
 
 想像した通り、カズちゃんは『芸術家さん』のようだ。
 山の奥で、陶芸をしている芸術家。
 長い髪や、颯爽と着こなしている作務衣がイメージにピッタリである。

 部屋の中には囲炉裏があり三人で囲炉裏を囲うように座る。
 季節がら囲炉裏に火はくべられていないものの、それなりに雰囲気のある部屋だ。

 壁までの感覚が広いことと、天井が高いからだろうか。
 部屋の中もかなりの広さを感じる。

 木で出来た壁には窓があり、そこから自然光が室内を照らす。
 かといって、部屋の内部が暗いといった感じではない。
 天井の部分にも採光用の窓が付いているためなのだろう、横からも上からも自然光が差し込んでいて室内はそれなりに明るい。

 まるで自分が昔話の世界にでも迷い込んだのではないかというような錯覚に陥る。

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