ちぇんじ☆
「それで、オレにどうして欲しいんだ?」

 私とお母さんにお茶を差し出しながらカズちゃんが聞いてくる。
 『どうして欲しい』……って、出来るならこの状況を解消して欲しい。
 霊能力者というお母さんの触れ込みが本当であるのならば、この超常現象を解決する方法を知っているのではないか?

 出来ればこの場で私を元の身体に戻してしまって欲しいものだ。
 というか、今はそれにかなり期待している。
 霊能力者というからには、その手の対策のエキスパートなんじゃないか……と。

「うん、とりあえず『元通りにする方法』を教えてあげて欲しいのよ」

 私が答えるより早く、お母さんがカズちゃんに答える。
 とりあえずじゃないですよ?お母さん。
 早急に!可能な限り早く!できるならこの場で!

 お母さんの言葉を、とにかく補足するように激しく何度も頷いてみせる。
 この高速連続頷きに、カズちゃんが私の必死さを感じ取ってくれれば良いのだが。

 ここまで必死になっているのに、もしも何も教えてもらえなかったら、あれだけ激しい山道をわざわざ歩いて来た意味が無くなる。
 あれだけの労力を支払った代償くらいは欲しいというか、もうあの山道を歩くのはゴメンだというかね……。

 平たく言えば、『何とかしてくださいっ!』という気分なわけです。
 
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