バトンクッキー
負けることの恐怖がこれほどプレッシャーとなって跳ね返ってくるとは思わなかった。
三浦が審判に怒られるのを覚悟で人差し指をサッと立てる。
敬遠のサイン。
満塁策はセオリーどおりの作戦だが、おれの頭にはまったくなかった。
1塁を埋めてどこでもランナーにタッチしなくてもいいフォースアウトの状況をつくれる。
そして、7、8、9番の下位打線で勝負。
6回裏にも渡辺を敬遠したこともあり、1塁側スタンドからは容赦ない野次が飛んだが、水原に同様はない。
この絶体絶命の場面で一番落ち着いているのは、一年生の水原と三浦じゃないか。