愛の雫
『いてもいなくても同じ』


自分で発した言葉なのに、酷く胸の奥が痛む。


自覚しているつもりでも、言葉はすごく残酷で苦しい。


あたしはそんな気持ちを吐き出してしまいたくて、凪兄に気付かれないように何度も息を吐いた。


だけど…


部屋のあちこちにある家族写真が、また胸の奥を締め付ける。


少し前までのこの場所は、居心地が良かったハズなのに…


今は自分の家と変わらないくらいの居心地の悪さを感じていて、何だか少しだけ悲しくなってしまった。


< 19 / 830 >

この作品をシェア

pagetop