愛の雫
「はい?」


不自然にならないように笑顔を繕ってから、返事をしながら振り返った。


「あたしね、無謀な恋なんてツライだけだって、ずっと思ってたの……」


「え……?」


「でもね……」


そこまで言った乃依さんは、優しい笑みを浮かべた。


「無謀だって、両想いだって、恋してる事には変わりないんだよ!だからね、自分の事をバカみたいだって思う事もあるかもしれないけど……希咲ちゃんは自分の想いを大切にして、その人の事を好きでいてもイイんじゃないかな?」


< 323 / 830 >

この作品をシェア

pagetop