愛の雫
「……早苗」


俯き気味だった顔を上げて早苗を呼ぶと、ウーロン茶を飲んでいた彼女が向き直った。


その真っ直ぐな視線に応えるように、あたしも早苗を真っ直ぐ見つめ返す。


「何?」


小さく深呼吸をした後、彼女を見つめたままゆっくりと口を開いた。


「昨日の事で話があるんだけど……。バイト終わったら、時間……」


だけど…


「希咲ちゃん、もう賄い食べ終わった?」


最後まで言い終わる前に、控室に入って来た乃依さんに遮られてしまった。


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