愛の雫
「あっ、ごめん。もしかして、取り込み中だったかな?」


少しだけ申し訳なさそうに訊いた乃依さんに、首を小さく横に振る。


「あの、何かあったんですか?」


「あっ、そうじゃないんだけど……」


あたしが尋ねると、乃依さんはそう前置きをしてからため息をついた。


「今さっき来たグループ客の中の女の子がね、希咲ちゃんにドリンク持って来て欲しいって言ってて……。今はいない、って言ったんだけどね……」


ため息をついた彼女の話を聞いて、絵里香の事を思い出した。


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