愛の雫
「パパ……」


すぐに声のした方を見ると、視線の先に息を切らしているパパがいた。


パパはネクタイを緩めながら、足早に近寄って来た。


「陽子は?」


「まだ、手術室に……」


「そうか……」


不安を隠し切れないのか、パパは眉を寄せて手術室を見つめた。


その表情に、何だか胸の奥が苦しくなる。


程なくしてハッとしたように表情を緩めたパパが、凪兄と奈緒ちゃんを見た。


「奈緒ちゃん、凪君、悪かったね……。色々とありがとう」


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