愛の雫
ストレッチャーに乗せられた陽子さんは、まだ麻酔が効いているせいで眠っていた。


「すぐに気が付くから大丈夫ですよ。それから……」


あたしを見ながら話していた小太りの医師は、パパに視線を戻してから優しい笑顔のまま続けた。


「赤ちゃんですが、可愛らしい女の子ですよ。もう少ししたら会えますから、奥様が目を覚まされたら看護師に赤ちゃんがいる部屋に案内させます」


「本当に……ありがとうございました……」


パパは何かを噛み締めるようにしながら、頭を深々と下げた。


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