愛の雫
「あたしは、希咲の事が大好きだし……。希咲が家族の事とか学校の事とかであたしを頼ってくれるのが、すっごく嬉しかった」


早苗の声は悲しみを帯びたままだったけど、ハッキリとそう話した。


「でもね……」


だけど彼女が次に零した言葉は、どこか弱々しく聞こえた。


少しだけ間を置いた早苗が、ゆっくりと深呼吸をした。


「希咲はいつだって、本当に苦しい時にはあたしを頼ってくれないんだよ……」


「え……?」


あたしは、目を大きく見開いてしまった。


< 715 / 830 >

この作品をシェア

pagetop