【一話完結×短編集】ビター&スィート
日野崎くんは今日も

昨日と同じ席に座ってた



少しずつ



少しずつ



近づく






心が渦を巻く





「あのっ…」





何とか声をかけると

日野崎くんは私に視線を向けてくれた





何て言えばいいんだろう…




…でも…




「昨日の事は忘れてください

渡した物も捨ててくれていいので…」




それだけを一気に言うと

すぐにその場を離れた




図書室を出ると

一気に走り抜ける



追いかけて来てくれないなんてわかってる



追いかけて来て欲しい訳じゃない




だけど…逃げるように走り続けた




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