【一話完結×短編集】ビター&スィート
…なのに
日野崎くんばかりが頭に浮かぶんだ…
あの日から私は図書室に行かなくなった
…ううん
行けなく…なったんだ…
クラスが離れてるから
図書室でしか会えなかったのに…
会いたいけど
会うのも怖い…
でも…気持ちは消えてくれなくて…
諦めよう
そう決心したのに
日野崎くんの事ばかりを想っちゃうんだ
どうして…消極的な私が
チョコを渡そうだなんて
大それた事を思えたのか不思議で…
それが恋の力だったのかなぁって思う
前は放課後が楽しかった
つまらない授業も
放課後が待ち遠しくて…
でも、今は何もかもつまらない
大好きだった本も読めない
こんな事ならあんな事するんじゃなかった
…チョコなんか渡さなきゃ良かった
ため息をつきながら、家路をトボトボ歩く