【一話完結×短編集】ビター&スィート
図書室のドアを開ける手が震える


「…はぁ~…」



深呼吸をして…開いた





あの日と同じ席に日野崎くんはいて

ドアを開けた瞬間

目が合った





…やっぱり…好き




こんな状況なのに…




涙が溢れそうで俯いた





日野崎くんに近寄れなくて…



結局、いつもの離れた自分のお気に入りの席に座るしか出来なくて…





俯いて涙を堪えてると

人影が近付いてくる




もう…ここから出たい…


…逃げ出したい…




目の前に座る気配がして

何とか顔を上げると

日野崎くんがいて…




「これ…一応お返しってやつ?」




日野崎くんが机に置いたのは小さな袋で…




忘れて…って言ったのに…



「……受け取れません」




期待させないで…


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