†Dragon Guardian†

その様子を見ていた男は
まず壱加に視線を向けて
宥めるように口を開く。


「弥嘉がその能力を発動
できるのは、何かしらの
要素があるからだ。今は
まだ未熟だが、近い将来
必ずお前の助けとなる」

「なんのかよっ!?あんな
ただの弱虫なガキが?」

「少なくとも、弥嘉の傍
にいればお前が国家に狙
われる率が低くなる」

「――――!!!!!!!!!!」


それきり黙り込んだ壱加
から目線を外した男は、
今度は弥嘉を見据えた。


「弥嘉、戦闘力や知性は
後からでも充分補える。
お前に不足しているのは
“覚悟”だ。その能力に
選ばれた以上、守護者に
なることは最早宿命だ」

「で、ですが……」

「“都ちゃん”の失踪に
国家と守護者との抗争が
絡んでいるとしたら?」

「――――!!!!!?????」


そうして思わぬ単語が耳
に入ってくるなり、弥嘉
は驚きのあまり目を見開
き遂には言葉を失った。
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