†Dragon Guardian†
すると男は立ち上がり、
静かに言葉を発した。
「壱加は国から身を守る
ため、弥嘉は失踪の手掛
かりを掴むため。目的は
違うが利害は一致する。
ここは協力体制をとった
ほうが良いと思うが?」
「俺はそんなこと一言も
頼んでねぇぞ!?」
「だが依頼の内の一つで
あることは間違いない。
“守護者の要請”だろ」
「まあそうだけど……」
それきり閉口した壱加を
よそに男は娘に問うた。
「弥嘉はどうしたい?」
その言葉を噛み締めて、
弥嘉は父親を見据えた。
「今まで、どんなに探し
ても見つけられなかった
都ちゃんへの手掛かりが
あるのならば私は精一杯
頑張りたいです!!」
それを聞くと、男はさも
嬉しそうに目尻を下げて
ゆっくりと頷いた。