†Dragon Guardian†
「……何故ですか?」
その重い空気に耐えかね
ていた弥嘉は思わず男に
訊ねてみた。
暫くの間沈黙が続いたが
男は意を決してようやく
口を開いた。
「その力は守護者は勿論
だが国家も欲する力だ。
襲撃で分かったと思うが
あちらは近距離でしか彼
らを判断出来ない。もし
弥嘉の力が知られれば、
下手をすると国家に利用
される危険性がある」
しかし、父親の言い分に
納得いかない弥嘉はすか
さず反論した。
「あの……私には遠距離
にいる彼らを判断する力
がありませんから、その
ような心配はないと思う
のですけれども」
それに対して、男は尚も
先程の話を続けた。
「今はまだ力がなくとも
将来的に使える可能性は
大いに考えられる。その
証拠に彼らの羽根や目の
色彩が見えるだろう?」
そう言って男は少しだけ
身を屈めて、弥嘉の顔を
覗き込んだ。