†Dragon Guardian†

父親の顔が思ったよりも
近くにあったため思わず
弥嘉は視線を逸らした。

その気まずさを拭おうと
弥嘉は言葉を紡いだ。


「確かにそうなのですが
何故それらが今になって
見えるのでしょう?」


それに対して、男は暫し
考え込んだがやがて口を
開いていった。


「おそらくは壱加に感化
されたんじゃないのか?
ああ見えて潜在能力だけ
は高いからな、アイツ」

「感化、ですか?」

「ごく稀にだが、能力が
強いドラゴンと接触する
と我々の内部に眠る潜在
能力が引き出されること
があるらしい」

「なるほど。では、壱加
様は一体どのような力を
お持ちなのですか?」

「確か……殆ど使い物に
ならない発火能力と追跡
阻止だったかな?後者は
元来から並外れていたよ
うで、依頼の直前までは
国家の監視を上手く掻い
潜っていたらしいな」


男は以前聞いた話を思い
起こして弥嘉に話した。

一方の弥嘉は、さらなる
疑問に頭を悩ませた。
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