美人薄命


その後、リーダーの件が正式にチームに伝えられ本格的に企画が動き出した。


「渡瀬、お疲れ!」


休憩室でコーヒーを飲んでいると隆司くんがやって来た。


「いいのか?リーダー譲って。」


「いいの。向いてないってことが身に染みて判ったから。
もう肩の荷が下りてすっきりしちゃった!」


心配そうに見ている隆司くんに肩をぐるぐる回しながらおどけて言う。


「そっか。」


安心したように言う隆司くんを見て私も安心した。


「じゃプレゼン成功のお祝いしないとな!」


「そうだね!そしてまた皆で頑張らないと!」


「今日行くか?」


「あっ今日は予定あるんだ、ごめんね!」


「そうか、じゃまた今度な!」


約束があるわけではない。

私は仕事が終わったら春人くんのお店に行こうと考えていた。


店に押しかけて泣いて喋るだけ喋って迷惑かけたし、お詫びと成功の報告がしたかった。



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