それでも君と、はじめての恋を


「……っ」


7組の前でだって気まずいのに、別のクラスの前で泣くのはもっと気まずい。それでも動けなくて、教科書で顔を隠して泣いた。


「……渉」

「俺の教科書汚しちゃや~よ?」


葵の声が聞こえて、純に肩を抱かれて。あたしは大声で泣きたい気分だったけど、我慢した。


嗚咽の分だけ、モモが離れていってしまう気がして。泣くのは簡単なのに、脚はすくんで動かなくて。


信じてくれなかったことが悔しくて、好きだと言うのをためらった自分が情けなくて。


歯を食いしばって、嗚咽をこらえた。


こんなに好きなのに、立ち止まってる場合じゃない。



加速して。
もっと、もっと。


好きで好きで仕方ないんだと、モモに伝えられるほどに。

< 147 / 490 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop